大判例

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東京地方裁判所 昭和54年(ワ)1931号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

2 被告組合は、原告が予めすみ枝<編注―原告の妻>に対し、本件土地建物に根抵当権等を設定することにつき代理権を授与していた旨主張するが、本件の全証拠によつても、右主張を認めるに足りない。

また、被告組合は、原告がすみ枝に対し自己の実印及び印鑑証明書を持参させることによつて代理権を授与した旨を表示したと主張するが、1に掲げた各証拠によると、すみ枝が原告の実印及び印鑑証明書を所持していたことは認められるけれども、証人橋本すみ枝の証言及び原告本人尋問の結果によれば、右はすみ枝が原告に無断で、勝手に持ち出したものであることが窺えるのであつて、右主張は採用できない。

3 次に、被告組合は追認を主張するので検討するに、<証拠>によれば、原告は昭和五四年一月中旬頃、大阪に在住の長男からの連絡により、本件土地建物の登記簿謄本を調査し、はじめて被告組合のために請求の趣旨1記載の根抵当権等の登記がなされていることを知り、すみ枝を問い質したところ、山田と会つて話し合うことになつたこと、その後、原告は山田及び前記砂川と自宅で会つて話し合い、その結果、すみ枝の関与によつてこれらの手続がなされたことが判明し、原告は昭和五三年一一月一日付の極度額三〇〇〇万円の根抵当権の設定を認める旨の「確認証」を自ら記載して署名し、これを山田に手渡したこと、更に原告は、同月二二日にも右と同趣旨及び森田が被告組合から借受けた金員の返済を約する旨の念書、右金員の利息の支払いを約する旨の念書並びに森田に宛てた三〇〇〇万円借受えた旨の金銭借用証書と領収証にいずれも署名捺印してこれらを山田に交付し、これらの書類は、山田ないし森田を介して被告組合に差し入れられたこと、以上の事実が認められ、この認定に反する原告本人の供述は、前掲各証拠に対比し、にわかに措信し難く、他に右の認定を覆すに足りる証拠はない。

右の事実によれば、原告は被告組合に対し、すみ枝のした代理行為を追認したものと認めるのが相当である。

(原健三郎)

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